ひとときの歌・15〜白鳥の歌〜が終わりました。
今回は、津、東京、網走と三公演。ご来場くださいました皆様、そして裏方で支えてくださったたくさんの方々に、心から感謝申し上げます。
それぞれの会場と楽器に触れ、その時間を楽しんだ公演でした。津のピアノは40年ほど前の古いスタインウェイ。最近の楽器では鳴らないような繊細な音色。柔らかで控えめな響き。久しぶりの感触だと思いつつ演奏しました。楽器にはそれぞれの良さと難しさがあり、求める音にするためにどう弾くべきか、苦労することもしばしば。今回もそれぞれに難しさがあり、楽器に対する己の未熟さを痛感すると同時に、求める音を容易に実現してくれる楽器は、さらにインスピレーションを引き出してくれることがあり、今回も幸せな瞬間がありました。
シューベルト晩年の歌曲作品には、驚くべき斬新さが見られ、彼がもっと長く生きていたら一体どんな作品が生まれていたであろうかと思わずにいられません。歳を重ねて、またいつか白鳥の歌を演奏したいと思います。
シューベルトは演奏すればするほど、心に沁みてきます。彼の人生の孤独と絶望は計り知れませんが、あたたかく限りない優しさをもって心に触れてくる音楽は、私たちの心を慰め、美しい希望をもたらしてくれるような気がします。
ひとときの歌・15を終えて
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